日本の概略
- 日本では、ブドウは果物として食されることが多く、巨峰やカイジ路などの品種が生食用に改良されてきました。ワイン用品種の開発は、川上善兵衛(岩の原ブドウ園の創始者)に始まり、その後、各ワインメーカーを中心に品種改良を行い、優良品種を開発しています。
- 栽培・醸造方法が発展して、優良ワインが生産されるようになってきました。併せて、山梨県で開催され始めた第1回国産ワインコンクール(2003年)や長野県で制定運用され始めた原産地呼称制度(2003年に第1回認定審査)などにより、日本ワインの品質向上が進んでいます。
- 栽培面積:1.86万ha
- 年間ブドウ生産量:20.9万t
- 年間ワイン生産量:70~90万hl
- 気候タイプ:山梨は大陸性気候。*山梨:リージョンⅣ 山形:リージョンⅢ
日本のワインの歴史
- 718
修行僧 行基が大善寺を開き、近辺で甲州種の栽培を始めたという説がある - 1186
雨宮かげゆが甲州を見つけて栽培したという説がある - 明治3年頃
山梨県甲府の山田ひろのりと詫間のりひさが日本で最初のワインを造る - 明治10年頃
大日本山梨葡萄酒会社(メルシャン勝沼ワイナリーの前身)が設立された。高野まさなりと土屋りゅうけんがフランスに派遣された - 明治20年代~30年代
川上善兵衛がマスカット・ベリーA、ブラック・クイーン、ローズ・シオタなどの交配種を開発 - 昭和45年以降
万国博覧会以降、世界から多様なワインが輸入されるようになった
ブドウ品種
- 黒ブドウ
- マスカット・ベリーA
川上善兵衛が開発した交配種。病害虫に強い。
*ベリー x マスカット・ハンブルグ - カベルネ・ソーヴィニョン
- カベルネ・フラン
- メルロ
- ツヴァイゲルトレーベ
ツヴァイゲルト博士による交配種で、オーストリーで広く栽培されている
*ブラウフレンキッシュ x ザンクト・ラウレント - 清見
黒ブドウ、交配品種。十勝、池田町を中心に栽培されている。
- マスカット・ベリーA
- 白ブドウ
- 甲州
楕円形。ヴィティス・ヴィニフェラ系 - シャルドネ
- リースリング
- ミュラー・トゥルガウ
- ソーヴィニョン・ブラン
- 竜眼
長野県 善光寺平で多く栽培されている。ヴィティス・ヴィニフェラ系。
- 甲州
主要産地
- 山梨県
栽培面積4150ha。ブドウ生産量53500トン。甲州種が最もおおく、次にマスカット・ベリーA種、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、シャルドネなどの欧州品種も広く栽培されています。ワイン用ブドウの生産量でも最大の県。栽培地は勝沼、塩山、一宮、甲府など甲府盆地が中心。 - 長野県
栽培面積2340ha。ブドウ生産量30300トン。栽培地は善光寺平を含む長野市周辺、松本市・塩尻市周辺、上田、小諸周辺など。特に塩尻市の桔梗が原は内陸盆地で雨量が少なく乾燥した地域で、良質のブドウ(メルロが代表)ができます。 - 山形県
栽培面積1770ha。ブドウ生産量21200トン。栽培地は天童市・寒河江周辺、上山・赤湯周辺、米沢周辺など。タケダワイナリー(上山)、浜田ワイン=シャトー・モンサン(米沢)、高畠ワイナリー(高畠)などがあります。 - 北海道
栽培面積1170ha。ブドウ生産量8900トン。栽培地は十勝、富良野、浦臼、余市など。ケルナー、ミュラー・トゥルガウ、セーベル、ツヴァイゲルトレーベなどが広く栽培されている。十勝では池田町を中心に清見などの寒冷地に適応できる交配品種が栽培されている。